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生成AIで会社の事実を見抜く!?キャッシュフロー計算書の使い方

この記事でわかること
  • キャッシュフロー計算書がなぜ大切なのか
  • キャッシュフロー計算書の基本的な読み方
  • 応用するための質問の仕方

財務三表と言われている貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書があります。その中でも今回はキャッシュフロー計算書の使い方について学びましょう。貸借対照表、損益計算書は会計としての業績を表していますが、キャッシュフロー計算書はその二つと違ってファイナンスとしての分析ができます。

損益計算書だと赤字出しているのに、なんで倒産しないんだろう

通年利益が全然出てないのになぜこの企業は投資家から評価されてるんだろ?

色んな企業研究を進めると、このような疑問が出ています。そして疑問が出てきたあなたはとても素晴らしい着眼点をお持ちですね。
スタートアップ企業、中長期戦略上で固定資産への投資(約10年ほど前のAmazonが有名)や、販売広告費にたくさん投資をしている(SmartHR株式会社などが有名)から見れれる傾向のひとつですね。貸借対照表、損益計算書だけではわからない情報がたくさんあります。

これらのナゾはキャッシュフロー計算書を読み解くと理解できます。

目次

利益は意見、キャッシュは事実

ファイナンスの世界には、こんな言葉があります。 「利益」は会計ルールに沿って作られた「業績の目安」ですが、「キャッシュ(現金)」は会社が実際に持っている「生きたお金」そのもの。この違いが、とても大切なんです。

現金さえあれば会社は潰れません。現金がなければ利益が出ていても倒産します。

会計の「利益」はなぜ「意見」?

不思議に思いますよね。それは、会計にはいくつかのルールがあり、会社がその中から最適なものを選んで処理しているからです 。

減価償却費

大きな設備投資をした時、その費用は一度に計上せず、何年かに分けて少しずつ費用化します。お金は最初に払っていても、費用になるタイミングは後なんです。しかも費用に計上する金額は変えられるからさらにややこしい…

引当金

「将来、これくらいの費用が発生するかも」という見積もりを、あらかじめ費用として計上することがあります。まだ払っていないお金も費用に含まれるんですね。

このように、実は会計処理はたくさんの処理方法があって企業が最も最適なものを選んで使うようになっています。(正確には細かい決まり事がありますが、ざっくり掴むことを優先するためあえて簡単な説明にします)
しかもその方法を変更することもできるのです!

キャッシュフロー計算書は、会計知識の先にある「会社の未来」を読むヒント

ここまで読んでくださった方は、もしかしたら「損益計算書や貸借対照表とは、ちょっと見方が違うのかも?」と感じ始めたかもしれません 。

その感覚、正解です!キャッシュフロー計算書は、会社の「お金の本当の流れ」を示してくれます。難しく感じるかもしれませんが、ここを理解できると、企業分析がぐっと深く、面白くなりますよ。

プロンプトをコピペ!

分析したい企業の3期分の有価証券報告書のPDFをEDINETからダウンロードしてください。そして生成AIにそのPDFを読み込ませてください。そして以下のプロンプトを打つと自動的に対象企業の分析を行なってくれます。

生成AIはChatGPTだとo3以上、GeminiだとPro2.5を推奨いたします。Claudeだと有価証券報告書は読みきれないことが多いです。(おすすめはGemini Pro2.5です)

プロンプト(タップで開く)

#前提条件
- タイトル:3期分の有価証券報告書を用いたキャッシュフロー分析プロンプト
- 依頼者条件:企業の財務分析に興味がある初心者投資家。
- 制作者条件:財務諸表の分析経験があり、キャッシュフロー計算書の理解に精通したファイナンシャルアナリスト。
- 目的と目標:3期分の有価証券報告書を基に、企業のキャッシュフローの動向を分析する。

#実行指示
添付ファイルの有価証券報告書を用いて、詳細なキャッシュフロー計算書の分析を行ってください。
3期分の財務データを比較可能な形式で集計し、各期の営業・投資・財務活動によるキャッシュフローの変動を評価してください。
企業の財務的な健全性や成長性について、キャッシュフロー計算書の観点から分析結果を提示してください。
{出力フォーマット}を参考にして出力してください。
決して、わからないことやあやふやな理解のまま出力をしないでください。
自信がない場合はなからずその旨を伝えてください。

参考フォーマット ="
企業名:{企業名}
分析対象期間:{分析対象期間}
要約:ここには分析結果の要約を記入してください。企業の業界、ビジネスモデルを簡単に説明することから始まり、全体的な分析を記入してください。最後に企業の置かれている状況の結論を出してください。
8パターン分析:インターネットで検索し、3期分のキャッシュフローの8パターン分析を行ってください。3期分の過去からの流れを考慮し、今期の企業の置かれている状況を分析してレポートしてください。貸借対照表、損益計算書の結果も考慮し、矛盾がないか確認してください。また事業の状況・設備の状況・財務諸表の後ろにある注記にも重要な情報が隠れています。参考にしてより精度の高い出力をしてください。
指標各種:FCF、CCC、ROIC、 EVAを算出し、3期分の結果を並べて比較してください。またそれらは一覧表にしてスプレッドシートに出力できるようにしてください。一覧表の下には分析結果の所感を述べてください。
まとめ:3期分の有価証券報告書の分析結果、同業他社・業界平均値との比較を行った結果をここでレポートしてください。レポート内容は楽観的なものでなく、批判的な側面も持ち合わせながら客観的に評価することを大切にしてください。しかし無理に楽観的・批判的なことを意識しすぎることなく最も重要なことは事実を分析し、将来予測をすることです。それらを踏まえて所感を述べてください。
"

#補足:
指示の再確認は不要です。
結論やまとめは不要です。
自己評価は不要です。
{出力フォーマット}のフォーマット形式を厳守してくだい。

基本的なポイント

まず初めに最も大切なことがあります。それは「生成AIはあなたの優秀な”アシスタント”」と言うことです。現在のAIは、もっともらしい嘘(ハルシネーション)を生成することがあります。特に、有価証券報告書のような複雑な文書から数値を正確に抜き出す作業は、まだ完璧ではありません。

なので大切なポイントはあなた自身で実際に有価証券報告書等を直接みて、確認するようにしてください。

8パターン分析

キャッシュフローは、大きく分けて以下の3つがあります。

営業CF

本業でどれだけ現金を稼げたか

投資CF

将来のために、機械を買ったり、他の会社に投資したり、どれくらいお金を使ったか

財務CF

銀行からお金を借りたり、返済したり、株主に配当金を支払ったりした動き

この3つのプラス(+)とマイナス(-)の組み合わせを見るだけで、会社が今どんな状況にあるのか(例:成長期?安定期?それとも…?)が、おおよそ分かります。人間ドックの結果を見るように、会社の健康状態を診断できる便利な手法です。

特に3期続けて分析することで、企業のストーリーがより鮮明に見えてきます。

営業キャッシュフローの仕組みをちょこっとだけ

営業キャッシュフローは「間接法」いう、ユニークな方法で計算されます。私は当初、とても苦手意識がありましたが先輩社員にそれをいうと「自分はパズルみたいでおもしろい」という回答がありました…人それぞれ感じ方が違いますね。

とても重要な点を5つに絞って、計算方法を捉えてみましょう。

STEP
始まりは「税金等調整前当期純利益」

損益計算書の項目を使います。この数字を調整して、実際の現金の増減を算出しましょう。現金がどのように動いたのかを意識すると理解しやすいです。

STEP
資産が増えたらマイナス、減ったらプラス(逆行)

売掛金、前払い費用、棚卸資産などの資産が動いたときの調整方法です。

  • 資産の増加 → 現金を使って資産を買ったり、売上がまだ現金化されていない状態なので、マイナスします。
  • 資産の減少 → 資産を売却して現金を得たり、売掛金が回収された状態なので、プラスします。
STEP
負債が増えたらプラス、減ったらマイナス(順行)

買掛金、支払手形、未払金などの負債が増減したときの調整方法です。現金の動きと同じように捉えます。

  • 負債の増加 → 支払いが先延ばしになり、手元に現金が残っている状態なので、プラスします。
  • 負債の減少 → 借入金などを返済し、現金が出ていった状態なので、マイナスします。
STEP
減価償却・減損などキャッシュが出ていかない費用を足し戻す

減価償却費のように、費用として計上されていても実際には現金が出ていかない項目を足し戻します。利益計算の段階では引かれていますが、キャッシュは減っていないためです。

STEP
利息、税金、利息を加減算する

最後に、本業の儲けとは区分される利息や配当金、そして実際に支払った税金の額を調整します。これにより、営業活動による最終的な現金の増減額(営業キャッシュフロー)が算出されます。

もっと詳しく知りたくなったら、ぜひAIに下で紹介している「深掘り質問」を投げかけてみてください。これまでの手順で分析を行っているAIだと非常にわかりやすく説明してくれるように学習済みです。

基本的な指数

キャッシュロー計算書で把握したい指数です。

FCF(フリーキャッシュフロー)= 営業CF - 投資CF

企業が自由に使える現金の量ことです。シンプルに、プラスなら健全、マイナスが続くと警戒が必要です。

CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)= 売上債権回転日数 + 棚卸資産回転日数 - 仕入債務回転日数

商品を仕入れてから、その代金が現金として返ってくるまでの日数です。売掛金は「無利息の貸付」という見方もできます。そのため短ければ短いほど資金繰りが上手な証拠です。

ROIC(投下資本利益率)税引後営業利益(NOPAT)/投下資本*100

事業に投下したお金が、どれだけ効率的に利益を産んでいるのかを示しています。

EVA(経済的付加価値)= 税引後営業利益(NOPAT) - 投下資本 × WACC

株主の期待コストなどを差し引いて、本当にどれだけの価値を生み出したかを示しています。

ROIC(投下資本利益率) / EVA(経済的付加価値):これらの指標の計算に必要な「投下資本」や「WACC(加重平均資本コスト)」は、有価証券報告書からだけでは正確な計算が難しい場合があります。そこでこのプロンプトでは、有利子負債と株主資本の合計を投下資本としています。

借金と増資、どちらがお得?資本コストの最適化

「無借金経営」という言葉を聞いたことはありますよね。とても健全そうで、いい響きのように聞こえます。でも本当にそうなのでしょうか?

そこで、銀行などからお金を借りる「借金(有利子負債)」。もう一つは、投資家に株を買ってもらってお金を出してもらう「増資(株式発行)」を比較してみましょうう。

さて、ここで質問です。この2つのうち、会社にとって「コストが高い」のはどちらだと思いますか?

利息を払って返さなければいけない『借金』でしょう?

そう考える方が多いかもしれません。ですが、ファイナンスの世界では、「株式で資金調達する方がコストは高い」と考えるのが一般的です。

「え、どうして?」と思いますよね。 それは、投資家は銀行よりも高いリスクを取っている、会社の未来に投資してくれているからです。銀行は担保を取ったりしますが、投資家は会社の成長そのものに賭けています。その分、会社に対してより大きなリターン(配当や株価の上昇)を期待します。この「投資家の期待」こそが、目には見えない株式のコストなのです。

深掘り質問をしてさらに分析をしてみよう

営業キャッシュフローの基礎を学ぼう

もしキャッシュフロー計算書がいまいちわからないというときは、生成AIに教えてもらいましょう。生成AIは人に何かを教えることはとても得意なのです。

さらに今調べている企業を例に、具体的に説明してくれるのでイメージしやすいです。

以下のプロンプトを生成AIに送ってください。

営業CFを学べるプロンプト(タップで開く)

# あなたへの役割設定
あなたは、会計の知識が全くない生徒に財務を教えるのが非常に得意な先生です。
専門用語をかみ砕き、身近な例え話をするのが上手です。

# 依頼内容
これから、「営業キャッシュフロー」について質問します。
私が会計初心者であることを前提に、以下の項目について、丁寧な説明をお願いします。

# 説明してほしい項目
そもそも「営業キャッシュフロー」って何ですか?

損益計算書の「営業利益」とは何が違うのか、この会社を具体的な例として使って教えてください。
例え話を用いて、イメージしやすい工夫をしてください。
なぜ、この数字が「会社の本当の稼ぐ力」や「健康状態」を知る上でそんなに重要なんですか?
プラス・マイナスの意味と、見るべきポイントを教えてください。
営業キャッシュフローが「プラス」の場合と「マイナス」の場合、それぞれ会社はどんな状態だと考えられますか?
初心者が最初に注目すべき、一番重要なチェックポイントを3つ、優先順位をつけて教えてください。
計算の仕組み(間接法)について、感覚的に理解させてください。
利益からスタートして、色々な項目を足したり引いたりする理由がよく分かりません。特に「減価償却費を足す」のはなぜですか?これも身近な例で、パズルを解くような感覚で説明してください。
どうやって分析に活かせばいいですか?
営業キャッシュフローの数字と、損益計算書の「営業利益」や「当期純利益」を比較すると、どんなことが分かるのか教えてください。

# 回答の形式とお願い
全体を通して、私に語りかけるような、親しみやすい口調でお願いします。
難しい専門用語は使わず、もし使う場合は必ず解説を入れてください。
重要なポイントは太字にしてください。
また視覚的にもわかりやくするために、見出し、箇条書き、レポート形式なども活用してください。

キャッシュフローを深掘り質問して分析しよう

売上高との関係性を分析しよう
キャッシュフローの内訳で、最も金額の大きい項目は何ですか?売上高の傾向も考慮して、分析してください。

過去からの流れを考慮して、会社がどのよう目的で、どのような結果を出しているのかが掴めます。また異常値が見つかる時もあるので、確認したいところですね。

フリーキャッシュフローの評価
同業他社と比較して、この会社のフリーキャッシュフローはどう評価できますか?インターネットを使って検索し、レポートしてください。

過去との比較だけでなく、他社比較も試してみましょう。業界によって特徴が大きく変わります。

将来予想をしよう
これまでのキャッシュフローの推移が続いた場合、来期以降の貸借対照表はどう変化すると予測されますか?

会計は主に過去から現在までの分析をすることに使うことが多いです。しかしファイナンスでは未来のことを予想するために使うことが多いです。そのため、このような質問も非常に有効です。

色んな人の立場から分析してみよう

経営コンサルタントの意見をきてみよう
ファイナンスの正しい知識を持ち合わせた総合経営コンサルタントの立場となり、この企業の置かれているファイナンスポジションを評価してください。また貸借対照表・損益計算書も3期分確認し、全方位から確認し、良い点・悪い点を明確にして評価してください。

生成AIに役割を与えて、違う視点の分析をやらせる方法です。これまでの指示で会社の必要な情報、分析を行っているためより深い回答をしてもらえます。ある程度深掘り質問をした後、このように立場を変えた意見を聞くと、より良い回答が出てきますよ。

経営者の視点で問題点を洗い出そう
企業の経営者として、3期分のファイナンスポジションの問題点を洗い出してください。また先ほどの総合経営コンサルタントのコメントも参考にして、洗い出した問題点をどのように解決していくのか提示してください。そしてこれから先3年間の計画を立案してください。

これまで行ってきた分析結果を全て活用した究極の質問です。最初からこの質問をしても浅い返答しか返ってきませんが、ここまで生成AIと共に企業分析をしたきたら非常に思考の深い内容が返ってきます。ぜひ試してみましょう。

まとめ

今回のように、生成AIを活用しながらキャッシュフロー分析をすると非常にわかりやすく、企業のいる業界、置かれている立場、過去からの流れとその先をどのように推測していくのかわかりやすくなります。

生成AIという強力な味方を得た今、非常に詳細な財務分析が可能になりました。「うちには専門家がいないから…」と諦める必要はもうないのです。

そして今回の手順で行った有価証券報告書分析結果と深掘り質問を通して、あなたの知識も大幅に増えたことでしょう。このように生成AIは、分析・質問・未来予想に留まらず、教育も非常に長けていることが特徴です。

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